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今日も父は大騒ぎ​

・母

・父

・娘

 


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母:「2人ともよく聞いて 今週の土日より、大掃除を始めます」


父/娘:「?!」


娘:「ママ、大掃除って・・・いくら何でも早すぎるでしょ
   年末までまだ2週間もあるよ?」


父:「だな。我が家は新築で初の年越しだからって、張り切り過ぎにも程がある」


母:「言いたいことはごもっとも でもね、ちゃんとしたワケがあるの」


娘:「ワケって、どんな」


母:「それはね・・・」(父を指さす)


父:「え、俺? なにかをした覚えないんだが」


娘:「まずはきちんと説明してよ ママ」


母:「誕生日にクリスマス 年の瀬の忙しい時期によ?一度でもパパが
   仕事で遅くなって帰ってきたことある?・・・ないの、きっちり定時上がり」


娘:「・・・そう言われてみれば確かに
   今年の誕生日なんかはサプライズパーティだったし
   部屋の飾りつけもばっちりの。少し恥ずかしかったけど・・・あれって」


父:「我ながら力作だったぁ あれ全て手作りだったんだぞ凄いだろ」


娘:「じゃ、じゃあクリスマスは・・・」


母:「パパ、種明かししてあげれば?いいんじゃないかしら
   気になっているみたいだし」


父:「立派なもみの木だったろ、数カ月も前から探して用意してな
   そこまでやるならと思って、仕事場でこっそり飾りまで作ったんだ」


娘:「そこまで・・・何やってんのよパパ」


父:「いいじゃないか新居での初行事!!お前の誕生日、次にクリスマスだ
   つい喜ばせたかった、だけなんだが途中から楽しくなってね
   別に悪いことじゃないだろ?」


母:「これが定時にパパが帰ってきていた理由なの あとはね・・・」


娘:【遮り】「ママその先は言わなくていいよ なんとなくわかったから」


父:「どうしたんだい二人とも 浮かない顔でこっちをみて」


母:「はっきりと言うわよ 年末年始は会社休みになるってのに
       定時上がりよ、休み直前まで このまま残業続くそうね 聞いたわよパパ」


父:「そ、それと年末の掃除は別だろう?きちんと終わらせて
   新年を迎えればいいだけの話じゃないか」


娘:「今回はママが正しい パパ、私たち二人で掃除しろっていう
   つもりじゃないでしょうね 今のママのお腹に赤ちゃんいるんだよ?
   高い所とか 重いもの動かしたり出来ないってわかって言ってる?」


父:「だってさ、仕事は仕事 残業の後帰ってからやれば
   何も問題ないじゃないか
   二人を喜ばせたかったんだよ、パパの気持ちもわかってくれよ」


母:「無理ね」


娘:「無理だね」


父:「敵しかいないのか、あんなに喜んでたじゃないか 
   それにだよ ちゃんとやるって言ってるし 


娘:「それで?」


父: 「それにほらさ、ママに重たい荷物持たせたり
    激しい運動なんか絶対させない 仕事はまじめにやってるぞ うんうん
    その上で二人をいや、これからは3人に何かをしたいと・・・」


娘:「パパさ まじめに仕事してる人は仕事場で
   ツリーの飾りなんて作ったりしないから」


父:「うっ」


母:「安定期に入ったから問題ないって私ずっと言ってるのに
   この間の定期診断で先生に
  『もう少し運動しないと体に逆に悪いですよ、妊娠中毒症に気を配ってください』
   ってお説教されて帰ってきたわ」


父:「・・・・・・・・。二人とも、落ち着いて話そう 話せばわかる」


娘:「これじゃあ年明けにパパと約束してた遊園地も無理かもね あーあ」


父:「やだやだやだ、それは行くよ 絶対」


母:「子供みたいに駄々をこねてるんじゃないの!」


娘:「あ。しーらない」


父:「そう言わず助けてくれよ」


娘:「見学してるよ パパ、ファイト パパが悪いから」


母:「何が仕事はまじめにやってる? 今パパは今年の仕事の片付けと
   家の掃除の事でしょう?! 冷静になって考えて
   誰が夜中に大掃除なんて始めんの 第一夜はすぐに寝ちゃうくせに」


父:「ごめんなさい 確かにはしゃぎ過ぎた 大人げなかった 
   だから許して仕事・掃除するから」


娘M:(笑いを我慢する)今日はどうなるかな・・・


母:「・・・パパ」


父:「なにママ 許してくれたか?」


母:「私、あんまり無茶しちゃダメなのよね?」


娘M:(ん?ママ何考えてるんだろう・・・)


母:「年末の掃除 何時からでもいいから 任せた♪」


父/娘「?!」


娘:「ママ、急にどうしちゃったの?パパ1人は流石に無理があるって
   怒る気持ちはわかるけどさ 冷静に」


父:「そうだよな さ、流石にそこまでは 機嫌なおして」


母:「何言ってるの?誰が、パパ一人でなんて言ったの
   私そんなこと『一言も』言ってないけど」(視線を娘に)


娘:「えっ!?・・・嘘でしょ」


母:「知ってるのよ
  【部屋には入られたくない いつもきちんと片付けてる】って
   ママ達には言ってるけど、部屋が散らかり放題なの!!」


娘:「いやっ、それはごめんなさい。でもそれとこれとは話しがちが・・」


母:【遮って】「2年B組、本田・・」


娘:【遮って】「マーマー!!!!!」


父:「二人して何 パパにも」


娘:「パパには絶対教えない!!」


父:「ぐっ、これが思春期真っただ中の女子特有の反抗期ってやつなのか・・・」


父M:(だがまだめげてたまるか 一生娘はパパのもの!)


母:【小声】「妊娠する前ママさんバレー参加してたでしょ 
   そのメンバーの田中さんから聞いたの 
   悪くは言いたくないけど、友人にはきっちり、口止めするべきね」


娘M:(しまった・・・あの親子、揃いも揃って口軽いんだった やられた)


父:「おーい、パパは放置なのかな?・・・・・・・大人しく掃除でもするよ」


娘:「で、ママ なんでママは掃除しないの?
   原因はパパだとしても、掃除するって言いだしたのはママだよ」


父:【遠くから】「おーい、お風呂用洗剤どこにしまってある
   見つからないぞ」


母:「洗面台の下に詰め替えがあるわよ
   ・・・なんでママが掃除しない理由?ママ、先約があって」


娘:「?」


母:「おばあちゃんたちと温泉に行ってきます」


        何故だか泡だらけの父登場


娘:「パパどうしたらそんな泡だらけに・・・ないわぁ」


父:「へこむから、ねっ?それ以上はやめようか 本気でへこむぞ
   それより温泉って聞いてないんだけど」


娘:「私も」


母:「はぁ。ほんとは新居祝いに、みんなで行こうって話しが出てたのに
   誰かさんは浮かれ過ぎで残業ため込むし
   もう一人はごみ部屋にしてるから
   話し合いの結果、我が家からはママだけが行って来ることになりました」


父/娘「断固反対!!」


母:「ふふ、そういうと思った 今から片づけちゃえば一緒に行けるから
   掃除、終わらせちゃってね」


父:「そうと決まれば 即実行 やるぞ娘よ」


娘:「そうだね サクッとやって温泉だ」


父/娘「おう!!!!」


母:「・・・・・・二人とも今何時だと思ってんの?」


父M(しまったぁ 温泉旅行で家族団欒に目がくらみ過ぎて ママが・・・)


母:「あんたたちは絶対留守番確定!」


父:「それだけは それだけは・・・」


娘:「行けないのも、パパと二人だけも嫌ーーー」


父:「?! もうパパ、泣いてくる」



END

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